メールニュース巻頭インタビュー 第1回
藤原亜津子先生(茨城県竜ケ崎市)
◆バスティンとの出会い ~1,300回講座に至るまで~
大学を出たばかりの頃、「勉強したい、勉強しなければ」と思っていました。もともと色々なことに興味を持つ性分で、子ども時代から感受性が強かったのです。
30歳でピティナに出会い、「人の集まる場所には情報がある」ことを知りました。福田靖子先生のすすめもあって、たくさんのセミナーに参加しました。ピティナ・ピアノコンペティション全国大会を聴きに行き、小さな子がレベルの高い曲を弾くことに驚きました。指導者として自分を高めたいという思いが強まり、「知らないことを知りたい精神」「なるほどと思うことの喜び」で、ピティナ・セミナーに参加しているうち、バスティンに出会ったのです。
武田宏子先生の講座(バスティン・ライブラリー、ちいさなピアニスト)に通い、また他の教材も試して比較検討しました。その結果、「全調メソード」が決め手となって、バスティンで指導することになりました。そこに至るには、根底に「作曲家がどのように調性を選ぶか」との疑問があったからです。「調性のもつ響きの違いを子どもにも感じてほしい」との思いで、バスティン・メソードの全調プログラムに取り組みました。
「どのように全調を子どもに伝えているプログラムなのか?」とつきつめていくうちバスティンにはまり、今や1,700回を超える指導法講座を全国で展開することになりました。まさか自分が講師になり、バスティンの広告塔になろうとは!
ちなみに、初めて講師をつとめたのは40歳頃、第1回目の講座テーマは、「受験生とともに歩む教師のあり方」でした。福田靖子先生には良い試練を与えていただき、育てていただきました。
◆子どもと親と、地域のためのピアノ指導
バスティンは導入~中級までの道筋がひかれたメソードです。ジェーン・バスティン先生にたずねましたら、「ペース・メソッド」がベースになっているそうです。福田靖子先生がバスティンに注力なさっていたこともあり、ますますバスティン・メソードのプログラム理解に励みました。さらにそこから、奏法指導の研究の必要性を感じ、上手に弾ける子どもを見ては教本プログラムに何をプラスすれば良いかを考えました。
ジェーン先生は教育家であり、私もまたそうです。相手の状況を見ながらの指導を心がけ、子どもの心理的・肉体的発達の両面を理解することで、「発達待ち」への理解が増しました。
子どもだけでなく、親もまたゼロからの発達なのです。
そう思うと決して本人の心を傷つけるような言い方はできません。子どもにも親にもエールを送る気持ちで声かけをしています。
私の小学生時代、母はピアノを弾き、乙女の祈りや銀波を聴かせてくれました。その母が、ボーイスカウトの精神「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするように、そして報いを求めぬよう」を私に教え込んでくれたのです。母の願いが私の願いとなり、生徒の父兄の願いを応援するようになっていきました。そして「誰か井戸を掘る人がいないと水がたまらない」との思いから、地域の子どもや親、文化育成のための活動や、龍ヶ崎市文化会館設立に尽力し、実現に至りました。
今は毎年、そのホールで発表会を行っています。
◆ピアノ指導者としてのポリシー
私の45年の指導生活で、実に150人の生徒が音大に進学しました。音楽を愛する誠実な生徒たちです。
私のレッスンでは、先生は監督、生徒は選手、父兄はコーチになぞらえます。子どもが学習するのを、父兄は支援し、先生は指導するのです。導入期は親子いっしょにレッスンをします。特にバスティン・パーティーレベルでは、指導アイディアから、親が子育てのノウハウを学べるように配慮しています。レッスンでは「子どもの自立」が目標です。
ジェーン・バスティン先生も「一日10分、子どものために時間を作ることができますか」とおっしゃるように、子どもが早く自立できるよう、親が子どもにつきあい、時間をとってあげて欲しいのです。
しかし、子どもの発達は様々です。期限を区切ることはありませんし、できないからといって叱ることはありません。子どもを枠にはめず、個人差を理解して、「できなければ一緒にやる」レッスンのあり方でいいのではないでしょうか。
大切なのは肯定の声かけと、次へ向かわせることです。
いくつか教具を作っていますが、これも生徒への愛情、世の中への貢献と思っています。レッスンが終わってから、また講座で全国を回る合間にホテルなどで作っています。
現在の私の指導ポリシーは、井上ひさしさんの言葉どおりです。
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことをいっそうゆかいに」
講座では、全国のピアノ指導者の皆様から、刺激と元気をたくさんいただけるので、とても楽しく伺っています。皆様、ぜひ講座にいらして下さい。お目にかかれますことを楽しみにしております。




















