【紹介記事】バロック白楽譜(レッスンプラスワン誌記事)
March 22, 2014
このたび、松沢書店発行 ピアノの先生のための情報誌「レッスン・プラス・ワン」150号(2014年3&4月)の第1面に、バロック白楽譜(東音企画刊)が取り上げられました。
掲載記事全文をご紹介します。
「自分で書き込む!バロック白楽譜(しろがくふ)」Ⅰ~Ⅲ
各1,100円(税込)
監修:石井なをみ・池川礼子(企画:日本バッハコンクール実行委員会)
◆指番号・記号のない楽譜・・・「こんな楽譜が欲しかった!」
音楽の基礎ともいえるバロック期の名曲は、ピアノ学習者にとって必ず通る道。
その際、生徒にどの楽譜を使ってレッスンするかは、指導者にとって大切な選択のひとつです。
すでに解釈(指番号、記号)が書き込まれた版か、作曲者の意図に近い原典版か。
長年の指導経験とコンクール審査を経て感じる「譜面を見てただ単に音の高さ・長さ通りに音を並べるのではなく、表現の手がかりや作曲家の意図を読み取る力を育てたい」との思いを、このたびついに形にできました。
つまり、指番号、アーティキュレーション、強弱・速度・奏法・発想記号など何も書き込まれていない、白地図のようなまっさらな楽譜です。
この自分で完成させる新しいスタイルの楽譜を、白楽譜(しろがくふ)と呼ぶことにしました。
◆バッハ・インヴェンションの前に学ばせたい86曲をチョイス
「独自の解釈を楽譜に書き込み、演奏してほしい」とバッハ・インヴェンションを弾く前の生徒さんに求めるのは、簡単でないかもしれません。
でも、「色々な版を調べて、比べてみよう」「いい演奏をCDでたくさん聴いてみよう」「指番号や弾き方を、自分でもあれこれ試してみよう」と誘導することはできますね。
このことは、導入期から楽譜に対する意識を高めることになります。
新しい時代の作品ほど、作曲家自身が譜面に指示をたくさん書き込んでいますが、風習や口伝えが当然とされたバロック時代は、楽器も今と違い、楽譜に明記しなかったことも多くあります。
だからこそ自由に色々な可能性を発想できるバロック期の名曲からインヴェンションまでに学ばせたい86曲を厳選、収録しました。
◆アナリーゼにも使える! 白楽譜の活用いろいろ
演奏にアナリーゼ(曲の分析)は欠かせません。
解釈とその裏づけがある演奏には、説得力が出ます。
ただ、解釈に正解はないと思っています。
楽譜の読み方や演奏者の立場によって変わるからです。
実際、私(石井)一人が書き込んでも、何種類かの解釈が出来上がりました。それが演奏の面白さだと思います。
将来、生徒が四期の名曲に取り組むとき、自分でアナリーゼし楽譜に書かれた記号に疑問を持って理由を追求する...そのような楽譜の読み方ができれば、素晴らしいと思います。
そのためのアナリーゼ導入教材として、白楽譜は最適です。「何小節?曲の形式は?」「フレーズはいくつ?」「何拍子?なぜこの拍子を選んだのだろう?」「何調でどういうキャラクターの曲?」「和音進行や転調で、曲がどう変化した?」など、生徒それぞれが考えを持って学習できます。
先生や、生徒同士で書き込みを見比べ、意見交換するのも勉強になるでしょう。
バロック白楽譜は、レッスンの幅を広げ、豊かな演奏表現につなげます。
楽譜の使い方、ピアノの学び方が変わります!
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