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【インタビュー】小倉郁子先生 (栃木県宇都宮市)

2010年09月28日(火)

メールニュース巻頭インタビュー
第3回 小倉 郁子先生(栃木県宇都宮市)

◆学びたいと思った「今」が学び時

若い頃から、インスピレーションを感じたものにはすぐ取り組む、というスタンスできました。レッスンにも、宇都宮教材研究会の教具作りにおいてもそうです。
「あとで・・・いつか・・・」と思っているうちに、たいていそのままにしてしまうので、私はインスピレーションを、自ら行動をおこすチャンスととらえています。

思えば、第1回バスティンツアー(アメリカ・サンディエゴへバスティン先生を訪ね、レッスンを見学するツアー)参加を決めたのも、インスピレーションと勇気によるものでした。
なんとなくバスティン・メソードを使っていた当時、知り合いがバスティンツアーのチラシを持ってきました。申込締切は2日後、しかし何か感じるものがあり、勇気を持ってすぐに参加を決めました。

そのツアーで、藤原亜津子先生、上総治子先生、小川志津子先生、バスティン先生と出会い、宇都宮での勉強会をはじめ、今の宇都宮教材研究会へと発展していったのです。
その宇都宮教材研究会には、現在若い先生たちが集っています。
なんと、バスティンツアー参加によって立ちあがった研究会時代の教え子たちです。バスティン・メソードで育った子どもたちが、次は指導者となって研究会に参加しているのです。なんと素敵なことでしょう。


◆今の時代、ピアノ指導者に求められるもの

教え子たちが長くピアノに親しみ、音楽を生涯の友にしてくれることは、ピアノ指導者ならどなたも願うことです。
全てのお子さんがピアニストになる訳ではありませんし、そう望まれないご父兄もいます。そうなると習い始めはともかく、親子の間に、徐々にピアノに対する思いの差が出てくることがあります。
例えば、塾やおけいこで、子どもが忙しくなってピアノの練習ができなくなると、「練習もせずにレッスンに行くなんて!」と、親がやめさせようとすることがありますね。

練習しないでレッスンに来ることについては、子どもなりに悪いと感じています。
ですから、先生に指摘されるのと、親に言われるのでは効き目が違います。親の前と、親がいない時では、子どもの姿は違います。
私の教室では、生徒が中学校にあがると、ご父兄がレッスン見学をすることをお断りしています。親がいない場所で、子どもが自分の思いを、先生に話せる環境を作ってあげるのです。
親には素直に話せないことでも、ピアノの先生が話を聞いてくれる。それだけで、ピアノ教室に行きたい、続けたいと思う子どもはいるはずです。

「私はいつでも生徒の味方よ」と、福田靖子先生がおっしゃっていたことを、いつも心に留めています。親の立場、子の立場、それぞれを理解し、スポンジ役になって調整してあげること。それも今のピアノ指導者に求められるものではないでしょうか。


◆親と、ピアノ指導者の関係

「うちの子のいいところを教えて下さい」。実際に、私の生徒の父兄から受けた相談です。

どの親も自分の子どもを大事に育てたいと思うあまり、できないところ、悪いところに目がいきがちです。特に子どもが小さいと、親は不安でいっぱいです。

そんな時、指導者は生徒を客観的に見て、良いところをほめ、直した方がよいと思われる部分も「○○ちゃんらしい」と肯定してあげたいものです。ご父兄の不安を解消し、信頼関係を築いてから、注意すべき点と解決方法をそれとなく助言します。

先程の質問も同様に、「一言アドバイスをもらいたい」という思いから出たものですから、指導者は気持ちを受け止める余裕が欲しいですね。そういう意味で子育ての経験は宝です。ご父兄の気持ちが本当によくわかりますから。


私の子育て体験を通じて、ピアノ指導者の子育てについてもお話ししましょう。

ピティナ「ピアノステージ」誌等でお話している通り、私の子どもは双子の男の子です。
二人ともピアノの好きな子に育ちました。ピアノ指導者はレッスンで夜が遅いため、生徒とはよく話をしても、自分の子どもとのコミュニケーションが少なくなりがちです。
自立は早まりますが、愛情をかける時間が少なくなることを心配し、私の場合は仕事をセーブしました。例えば平日は夕方18時過ぎにレッスンを切り上げ、20時過ぎから 一家四人で食卓を囲み、1時間以上色々な話をする、というように。

家族で共通の話題を作り、話す機会を多く持ちました。特に父親は子どもと共通の話題を作るのに努力をしていました。そして父親の世界、母親の世界を子どもに感じさせ、社会というものを話して聞かせました。

また何事も「しなさい!」と強制的にせず、親子でお互いの希望を話し合い、妥協点を探るようにしていました。

子どもと向き合う時間は限られています。後で取り戻したり、修復したりできません。私は子育てを一番に考え、仕事を調整しました。


◆ピアノ教育を通してはぐくむ、親子の絆

親もピアノ指導者も、子どもを叱る場面が出てきます。親に余裕があるかないかは、子どもに大きく影響します。指導者も余裕をもって、生徒と接したいですね。
生徒の事情や性格に応じて、叱り方や叱るタイミングが図れれば、生徒も応えてくれるでしょう。年中叱っていては、子どもは言うことを聞きませんよね。
私は計画的に愛情をもって、本気で叱りました。時には罰を与えなくてはならないこともあるでしょう。その場合、深刻ではなく、後から思い出して笑えるような罰がいいですね。

生徒の「事情」の中には、親子の関係も含まれます。親が甘すぎたり、厳しすぎたりする場合には、生徒への接し方を柔軟に変えます。今は、生徒側がピアノ指導者を選ぶ時代ですから、親子の要望を受け入れざるを得ないこともありますが、自然に指導者の敷いた路線に乗るよう、誘導しています。
そのためには、教室の他のご父兄の協力が不可欠です。新しい親子がなじめるよう、教室のカラーや土台をともに創っていくのです。

例えば、私の教室では、発表会出演のために、まず小さなコンサートを経験してもらっています。ここでは連弾演奏と親睦会を行うのですが、ピアノが楽しいことを親子で体験し、同年代の子を持つ親同士が知り合うきっかけにします。
ピアノを弾くことで、子どもが人として豊かになっていることを感じてもらえていると思います。今、発表会の運営は、父兄中心で楽しんでサポートしてくださっていますが、ピアノを通じて、このように親子の絆をはぐくむお手伝いができるなんて、本当に素晴らしい仕事だと思います。

現在子育てを頑張っている方々に一言。子育てを楽しむことを忘れないで下さい。
子どもをよく観察し、反応によってアプローチを変える楽しさを見出して下さい。
お子様の「音楽を人生の友にする」体験を、どうぞあたたかく応援してあげて下さい。






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