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1999年12月22日
神戸は、ルミナリエのイルミネーションが本当にきれいでした。今日は、実に今年最後の関西公演でした。。。
〜今日は、大変盛り上がりましたね!
今回は、曲の合間におしゃべりも入れて笑わせるコツを学びました。やっぱりおしゃべりをすることによって、お客さんとより近くなれたような気がします。
〜演奏については?
どうやら、お客さんは、「月光ソナタ」が好きらしい。。拍手が一番多かったですね。アンコールには、J.S.バッハ 平均律第1巻第1番のプレリュード、スカルラッティ ソナタL.23、シューマン トロイメライ。皆さんトロイメライがお好きなんでしょうね。
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12月22日のコンサートに寄せて・・・・・・・・・
"明日は昨日より優しい風が吹く" 揚原祥子
今年もあとわずかとなりました。皆様にとって、この一年はどのような年だったでしょうか。私は今年、初めて関西で演奏する機会に恵まれました。5月9日の「朝日・母の日コンサート」で初めてフェスティヴァルホールで演奏し、9月19日に同じくフェスティヴァルホールで開かれた「朝日名曲コンサート」でトーマス・ザンデルリンクさん指揮の大阪シンフォニカーと共演させていただきました。
北海道の旭川で育ち、高校生の時に東京へ出てきた私にとって、関西はとても新鮮に感じられ、一種のカルチャーショックを受けました。関西の言葉を直に聞くことは楽しみでもあり、新幹線で関西に向かうのが待ち遠しくなるほどでした。関西弁もいろいろあるようですが、関西に数日いると、私のイントネーションが自然と変わり、それがとても心地よく感じられる面白い体験もしたほか、日本語の豊かさを再認識しました。舞台スタッフが関西弁でやりとりしているのを聞いているうち、初めて演奏するホールに対する不安がすっかり消え、自分の気持ちに勢いがついたりしました。言葉は本当に不思議な力を持っているんですね。コンサートでは毎回、今まで経験したことがないほど多くのお客様にお会いすることができ、皆様の温かさにいつも感激しています。9月に大阪で演奏したモーツァルトのピアノ協奏曲第21番がライヴ録音され、CDになりました(本日ロビーでサインセールをいたします。よろしかったらお買い求めください)。たくさんのお客様に支えていただきながらの録音は、決して忘れることができない思い出のひとつになることでしょう。
今夜は『クリスマスコンサート』。街がクリスマスの準備を始めると、私はウキウキする反面、「あぁ、今年ももうすぐ終わりなのだ・・・・」という感傷的な気持ちになります。私は毎年、特別なこともせず、クリスマスを過ごしていますが、必ず思い出すのは留学していたハンガリーでの情景・・・。私が住んでいたのは一軒家が多い地域でした。クリスマスが近づいたある日、コンサートから帰ってくると、色とりどりの小さな光があちらこちらに見えるのです。それは木に飾られた電球が光っていたのです。その美しさに見とれ、しばらく立ち止まっていた私は、それから夜になると散歩するようになりました。住宅以外は何もないところだったので、街灯と家の灯とツリーの光だけが目に入ります。今でも、その時の静かな夜、ささやかで温かい美しさが心に甦ってきます。雰囲気は違うでしょうが、初めて見る「神戸ルミナリエ」の美しい光を楽しみに今日、神戸にまいりました。今夜はいろいろな曲を演奏します。皆様よくご存じの名曲、宗教的な色合いが濃い曲、さまざまな光を放つ音楽を皆様とともに感じることができたら・・・と、願っています。
今は音楽をいつでも再生することができます。聴きたい曲だけ取り出し、ボタンひとつですぐに音楽を楽しめます。でも、コンサートはその時間、その場所に行かねばなりません。やはり、それは特別な「空間」であり、二度と帰ってこない「瞬間」でもあります。今宵、皆様に出会えたことを感謝するとともに、このひとときが掛けがえのない「一期一会」となりますよう、大切に過ごしたいと思っています。
今年、神戸と大阪で演奏できたことは、私にとって大きな出来事となりました。それは「演奏する」ということだけでなく、朝日新聞社の松田さんをはじめ、様々な方たちと出会えたことにあります。以前お世話になった方と再会してお話ができたり、しばらく連絡をとっていなかった友人に会うこともできました。そして、今夜は皆様とお会いすることができました。
この一年に限らず、今まで起きたことの全てに私は支えられてきました。もちろん、よいことばかりではありません。私にとって悪いこと、辛くて悲しいこと、怒りを覚えたこと・・・。それらにも、いえ、それらにこそ、なのかも知れません。ある人が私に言ってくれました。「明日はきっと昨日より優しい風が吹く。そう思えれば、今日はいい日。」全てのことを胸におさめ、明日という日に向かって、2000年という新たな年に向かって、しっかり歩いていきたいものです。
皆様にとって、2000年が佳い年でありますように。
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1999年6月16日 揚原 祥子 (8日リサイタル at カザルスホール終了)
"ご来場くださいました皆様、ほんとうにありがとうございました。
そして、温かいお言葉をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
当日は、東京での2年ぶりのソロリサイタルということで楽しみに
しておりました反面、ひどく緊張しておりましたが、とても気持ちよく、
集中して演奏できましたことは、私の精神状態も含め、ホールや舞台、>
そしてお客さまの雰囲気全てによるものと思っております。
皆様の温かいお心を感じ、とても幸せでしたし、私自身も素晴らしい
経験ができたと思っております。
これからも、いろいろな作品や人々との出会いを楽しみに、
一回一回の演奏を何よりも大切にしていきたいと思っています。
1999.6.16 揚原祥子
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ハンガリーの首都、ブダペストに留学したのは今から7年前。異国での暮らしは見るもの、聞くもの全てが新鮮で、当たり前のことが当たり前でなくなり、思うようにいかないことばかりでした。
銀行や郵便局で全く相手にされず、鍵が壊れて家に入れなかったり、電気や給湯器が突然使えなくなったり・・・。言葉もあまり通じず泣きたい気分になったことは数知れず。でも、今となれば、楽しく懐かしい思い出ばかりです。
不便であるがゆえ、人とのコミュニケーションが自然に多くなり話し合って、私の意思を相手に伝えようと努めました。そして、最近思うのは、音楽も「伝える」ということが私たち演奏家にとって最も大切なことの一つであり、演奏者と聴衆とのコミュニケーションを意識することが大切であることです。
ハンガリーの人々は生きることを楽しみ、音楽を心から楽しんでいるように見えました。それは私に、忘れかけていた大切なことを思い出させてくれたのです。2年4ヵ月のブダペスト生活で、素晴らしい友人に出会い、生きていることと音楽を心から大切に思い、楽しむことを実感しはじめました。
揚原 祥子
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