進化し続けるピアノメソッド、バスティン♪
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【インタビュー】田中巳穂先生 (兵庫県神戸市)

2011年01月27日(木)

メールニュース巻頭インタビュー
第11回 田中 巳穂先生(兵庫県神戸市)

「通訳として見る、バスティン先生の魅力」

◆バスティン・メソードとのかかわり

今年4月のジェーン・バスティン先生が来日講座に先駆け、通訳の立場から感じるジェーン・バスティン先生の素晴らしさをお伝えしたいと思います。

バスティン先生来日特別講座の通訳として、以前から全国をご一緒する機会をいただいてきました。またアメリカ・サンディエゴのバスティン先生宅をたずねる「バスティン・ツアー」にも、2006年から通訳として参加しています。
講座やワークショップでは、ジェーン先生のお話の微妙なニュアンスを汲んで、皆さんにお伝えするよう心がけていますが、お付き合いの回数を重ねるうち、お人柄やお考えがより深く伝わってきます。

バスティン・メソードとのお付き合いは30年以上になります。出会いは小学生の時、恩師 武田宏子先生のお教室でした。
私は子どもの頃から即興演奏が好きで、ピアノをおもちゃにして遊ぶような感覚でした。バスティン・メソードにも、音の重なるおもしろさ、移調の感覚のおもしろさがありますが、それが自分のピアノの楽しみ方と相性がよかったのでしょう。大学生になってからは、福田靖子先生にお招きいただき、東京巣鴨のバスティンセミナーに通ったものでした。


◆生徒目線でのバスティン先生

バスティン・ツアーで初めてバスティン先生のスタジオを訪ねた時は、大変衝撃を受けました。特に、生徒が待合室からレッスン室に入る瞬間、ジェーン先生が笑顔であたたかく迎え入れて下さり、それが、あたかもスターが晴れの舞台で演奏するような、そんな特別な雰囲気であることに驚きました。このことこそ「ブルーハウス」(レッスン室の向かいの リサイタル室がある家)のリサイタルにおける、生徒たちの堂々とした素晴らしい演奏につながるのだと思いました。

また、ジェーン先生のレッスンは、時間に大変正確です。レッスン中は個人的な会話が多くみられ、例えば学校、クラブ、勉強等についてですが、レッスンが決して日常と乖離していません。
早く来た生徒は呼ばれるまで待合室で待っていますので、レッスンを受ける生徒は、先生との2人だけの親密な時間を持つことができます。そこに信頼感が生まれ、どの生徒も「先生大好き」で、尊敬を伴ったほど良い距離感があります。

他の生徒を、時間になるまでレッスン室に入れないことのもう一つのメリットは、生徒同士、親御さん同士がお互いを比べることのない点です。子ども達は安心して、自分の目標に向かって頑張ることができるのです。


◆指導者目線でのバスティン先生

ジェーン先生のレッスンが時間に正確であることは申し上げましたが、その時間の使い方の巧みさは大変勉強になります。
1回のレッスンの引き際を心得ていらっしゃいますし、内容に緩急があります。言葉の選び方、声のトーン、動作など、体全体を使っての働きかけがあたたかく、それ自体が音楽的に感じました。

また、先生のレッスンやセミナーはもちろん、ツアーで訪ねた際に私達に対して企画してくださったどんな事においても、起承転結があって、よく考えられていることに驚きました。 伝えたいことが、全体の流れを通して理解できるよう構築されているのです。1レッスン、1クール、1年を通じて、おそらく先生は、このように綿密に物事を組み立てられているのだと思いました。


◆ジェーン先生の、日本人レスナーへの思い

ジェーン先生とお話していますと、私達日本人レスナーが、教育のよりどころとして、バスティン・メソードをきめ細かく扱い、育てていることを、嬉しくお感じになっていることがわかります。
同時に、日本独自で発達しているバスティンの形についても、日本とアメリカの文化の違いを汲んだ上で、日本人レスナーを信頼してくださっています。 だからこそ、来日講座やバスティン・ツアーで、ジェーン先生の「最新」を見せて下さったり、またバスティン・ツアー2010のように、年度初めの、1回目のレッスンさえ見せてくださるのです。


◆バスティン・メソードの研究と実践

このように、ジェーン先生から直接、たくさんのことを学ばせていただきながら、現在は鳴門教育大学・大学院で講師をつとめ、バスティン・メソードについての研究も行っています。

先日の巻頭インタビューで、上総治子先生が仰っておられた「音楽教育と人間形成」はメソードの要ととらえられるもので、浅見英夫先生、重永洋子先生を始めとする諸先生方のご研究でも述べられている所です。

実践においては、藤原亜津子先生から「発達待ち」の心を実地にご指導いただきました。、バスティンユーザーの先生方の実践をふまえて、自分も学び、行動していきたいと思っています。

バスティン・ベーシックスの4冊、ピアノ・セオリー・パフォーマンス・テクニックが互いに関連して効果が定着するスパイラル学習の良いモデルであることについて、そして「体」(テクニック)、「歌心」(表現)だけでなく、セオリー等の約束事やパターンの了解といった「頭での理解」(認識)も不可欠であり、そのコーディネーションの重要性については自身の修士論文などにも述べています。

この「頭を鍛える」ことこそバスティンの醍醐味であり、「歌心」「体」「頭」の3つのコーディネーションが円滑になるよう意識を向けていくことで、機能が向上し、他分野にも応用できるような人間力向上の効果が期待できるのではないかと考えています。


また、バスティン・ホームページ おすすめ楽譜コーナーでは「マジックフィンガー・テクニック」教材とその活用法についてご紹介することになりました。

私が生徒に使っている、ジェームス・バスティン先生の、この「マジック・フィンガーテクニック」は、大変綿密なテクニック習得計画に基づいて書かれている教材で、一つ一つの曲が短いため、指の独立や全調、音楽性等、いかようにも指導者の個性や願いを盛り込め、また活用できる素晴らしい教材です。どうぞお楽しみに!そして一度お手に取ってご覧下さい。


◆最後に

ジェーン先生に影響を受け、大切にしていることがあります。それは、生徒自身が「自分の言葉で発言できる」ということです。
例えば、発表会では、会の最後に全員を舞台に並べ、一人一言ずつ自分の言葉で、会場のお客様に御礼を述べてもらいます。レッスンでも、演奏する前に曲の情報について言葉で説明することを習慣づけています。

生徒たちが人間として成長し、音楽の楽しみを分かちあい、自分の言葉で感謝を表せるように育ってほしい、という願いを受け継いでいきたいと思っています。

2011年4月18日から全国8箇所で開催される来日講座にぜひお越しください。そして、ジェーン先生のお人柄と笑顔に触れて下さい。
皆様がジェーン先生からお感じになったものを、これからの指導に生かされる、そのお手伝いができましたなら、こんなに幸せなことはありません。





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