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ピアノパーティー > ピアノパーティーガイドブックA

   

●ぐー(にぎりこぶし)のテクニック

8〜9ページに入る前に<無駄な力を入れないぐー> のテクニックを教えましょう。
(注):ぐー(にぎりこぶし)とは、絵のように軽く手をにぎった状態をいいます。以下本文にはぐーと表記します。

ねらい
・ ピアノを弾く前にまず正しい姿勢できちんと座らせます。
・ 無駄な力をいれないでコントロールされた良い音で弾けるようにします。
・ 手首を“軽く浮かせるように持ち上げる”弾き方を教え始めます。
・ 生徒が自由自在に手を使えるようにします。
 以上の4つはピアノ演奏をするのにとても大切なことです。まずこの<無駄な力を入れないぐー(にぎりこぶし)>のテクニックを何よりも一番先に身につけさせてあげましょう。 それはリズムや指番号、その他の楽譜の記号を勉強する前にです!

先生方へのアドバイス
・ 上の絵(1)に描かれているように、余分な力を抜いて楽なぐーを生徒に作らせます。こうして作ったぐーは 指のつけ
  ねが高くなって理想的な良い手の形になっています。これこそ究極のきれいな手の形なのです。
・ この手の形、力の抜き方を教える時には、口で説明するだけではなくて、教師が実際に生徒の手をとって教えましょ  
  う。そして親にピアノを弾くのには頭で覚えるだけでなく、身体の感覚で覚えることも非常に大切なことだと丁寧に説  
  明して下さい。「何事も初めが肝心!!正しい手(からだ)の使い方を小さい時にマスターすると大きくなって楽により
  高度なテクニックがどんどん身につくようになる」と説明して下さい。

・ ここでぐーで弾く音(トーンクラスター(tone cluster))を弾かせてみます。

 1. まず3つの黒鍵のグループを1つ選ばせましょう。そしてその3つの黒鍵に静かに上で説明した楽にしたぐーをの
  せさせましょう。そしてゆっくり肩から腕全体の重みをそのぐーにのせて黒鍵が“グゥーっと”ゆっくりと真下に沈  
  んでいくような感じで行き着くところまで押さえます。

 2. そして音が出たら、手首を少し前に押し出すようにしながら、鍵盤でゆっくりとでんぐりがえりをするようにぐー
  を動かします。その時は必ず手首から動かすようにして下さい(図2を参考に)。こうして手首を使って上手に使える
  ようになれば、スラーを終わる時の手首を使うテクッニクもここで学習したことになります。

 3. 自分がどんな音で弾いているのか、生徒によく聞かせて下さい。良い音をしっかりとこの時期から覚えさせるため
  です! 良い音というのはよく響く豊かな音を言います。決してひっぱたいたり乱暴だったり頼りない音ではなくて、
  耳に心地よいメロディーをきれいに歌える音なのです。ピアノの鍵盤をただ押さえたり、指のかけあし競争ができる
  ことをピアノが弾けるとは言いません。いつもいつも自分の耳で確かめながら良い音で音楽を作ってこそ“ピアノが
  弾ける”ということになるのです。
そのためには決してあせらないでデンと構えて生徒と一緒につねに良い音を求め 
  生徒自身のものにさせて、その子の可能性を大きく伸ばしてあげて下さい。

音の出し方
・ ここで有名なピアニストでもあり名教師でもあったジョルジュ・サンドールの言った言葉を引用します。『これは皆が   
 周知のことではあるが、ピアノの音というものはハンマーがピアノ線を打つスピードによる。』

・ 生徒に<ぐーのテクニック>でいろいろ弾かせて試してみましょう。

1. まずぐーを3つの黒鍵グループの上に載せて、からだの余分な力を抜かせます。(上の図 3を参考に)

2. 生徒に大きい音で弾くか小さい音で弾くかを決めさせます。
  すばやく鍵盤に押し込むように弾き、大きい音を耳でしっかりと聞かせましょう。  
     ゆっくりと鍵盤の中に沈み込むようにして弾き、小さい音を耳で確かめさせましょう。

3.  こうして音を聞きながら、余分な力を抜いて手首から前に押し出すようにして持ち上げるという運動をさせ
     て下さい。

・ このテクニックのゴールは余分な力を入れないで、リラックスした状態でコントロールができるようになることです。 ピアニストのテレサ・カレノは次のように話しています。
 
 『力強さの秘密はリラックスにあり!またはリラックスは力強さの元とも言えるのです。という言い方をすると誤解をされてしまうかもしれません。例えば生徒に「リラックスして弾きましょう」と言っても生徒がどうしていいのかわからなくなってしまっているとしましょう。そこで「リラックスする」というのは、くにゃくにゃとしたりべたべたと鍵盤の上を撫で回すように手を動かすことではないと説明しましょう。つまり「ここで使いたい!」という時のために力の無駄使いをしないことだと教えてあげて下さい。多くの芸術家や音楽家が私に「君は素晴らしい響きの音でピアノが弾ける人だ。」と言ってくれました。もしこの言葉が本当だとしたら、それはわたしが余分な力を入れないで上手にからだをリラックスさせて弾いているからだと言えるでしょう。』

 ジョルジュ・サンドールはこう書いています。『 いつも身体の筋肉はどこかで部分的にリラックスをしてる。 完全に身体全体がリラックスしている状態というのは横になって休んでいる時だけなのだから。』

*先生のためにひとこと*
「良い習慣は最初が肝心。早すぎるということは決してない。」